平成31年 最優秀賞 若柳 杏子
(令和元年5月28日(火)開催 定時会員総会表彰式にて)
この度は思いがけず、このような大きな賞を頂戴いたしまして誠にありがとうございました。 これもひとえに、日頃からご指導いただき、沢山のお勉強の機会を与えてくださいました先生方や流儀を越えて有難いご助言を下さいました諸先輩方のお陰と深く御礼を申し上げます。
振り返ってみますと、幼少の頃より習い始めた日本舞踊ですが、中学時代は陸上部に籍をおき、グランドを駆け回る毎日で走ることに明け暮れておりました。 そんな私が、日本舞踊の道を志したのは大学生の時でした。
日本大学芸術学部に入り、素晴らしい先生方や同じ夢を抱く仲間と出会いましたことは、私の一生の宝物でございます。先生方の踊りに対する熱い想いに触れ、間近で情熱的なお稽古をつけていただいた日々はとても貴重な時間でございました。
踊りを踊ることの楽しさも難しさも、その両方を経験させていただきました。特に亡き先代の花柳昌太朗先生には、踊りに取り組む姿勢や、新しいものを作り出すためには大変な勇気と覚悟が必要なこと、自分の踊りに最後まで責任を持つことなどを教えていただきました。
また、共に支え合い過ごした仲間がいてくれたからこそ、今の自分がございます。
そして、苦しい時も、嬉しい時もいつも温かく時に厳しく、大きなお心で進むべき道を照らしてくださいました若柳公子師匠に心からの感謝を申し上げます。師匠には踊りの事はもちろんですが、日頃の生活や心持ちなど踊り以外のことを教えていただくことが多くございます。師匠はよく「普段が大切だ」と仰います。日頃の行いが、全て踊りに繋がっていくということをいつも教えていただいております。
本当にたくさんの方々の支えやお導きがあり、今こうしてこの場に立たせていただけることに感謝し「これからがスタートである」とより一層、身の引き締まる思いでございます。
踊りに出会えていなければ、経験出来ない想いが沢山ございました。その一つ一つを大切に、人としてどうありたいかを今一度考え、自己研鑽に努めたいと思います。
まだまだ未熟で至らない私ですが、先生方の教えを胸に、感謝の心を忘れず、人の役に立てる舞踊家を目指し、尚一層精進して参りたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。