平成31年 最優秀賞 花柳 楽彩
(令和元年5月28日(火)開催 定時会員総会表彰式にて)
この度は身に余る賞を賜りまして誠にありがとうございます。
受賞を知りました時には、あまりの思いがけないことに驚きと喜び、そして改めて身の引き締まる思いがいたしました。
新春舞踊大会という得難い勉強の機会を毎年与えてくださった⽇本舞踊協会の先生方をはじめ、貴重なアドバイスや指針をくださいました審査員の先生方、諸先輩方、大会を通じて出会うことの出来ました全ての皆様のお陰と心より感謝しております。
思えば18歳の時、歌舞伎の市村吉五郎様より薦められて大阪より上京し先代花柳壽楽先⽣の舞台を初めて拝⾒した際、その格調高く情緒あふれる素踊りに感銘を受け、ぜひ内弟⼦にさせて頂きたいと思いお許しを頂きました。
何⼀つまともに踊れなかったあの⽇から20年間、自分なりに⽇本舞踊に向き合ってまいりました。その間、時には家族のように見守りながらご指導くださる師匠の寿楽先生と典幸先生や、内弟子の大先輩でもあり、先代の芸を伝えてくださる錦吾先⽣、同門の先輩方、そして右も左もわからない私を快く内弟⼦に迎え入れてくださり、お稽古はもちろん、日々の生活のことなど本当に厳しく躾けてくださった先代壽楽先生と大奥様、ご家族の皆様のあたたかさに支えられてきたからこそ今の自分があるように思います。
特に先代壽楽先生より教えられた踊りの心は自分にとりまして大切な宝物となっております。今回の受賞のことを直にお伝え出来ないことは残念でございますが、この場をお借りして心からの御礼を申し上げたいと思います。
まだまだ未熟ではございますが、お世話になりました皆様の御恩に報いるためにも、尚⼀層、芸道に精進してまいります。今後とも皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。